チェーンと優先権
「チェーン」とは魔法・罠・モンスター効果の発動に対して、別のカードの効果の発動を重ねて宣言する行為やそのシステムのことを指します。 遊戯王の最も特徴的なシステムがチェーンです。このシステムにより、カード効果の応酬が可能になり、遊戯王ならではの駆け引きが生まれます。
「優先権」とはカードを最初に発動する権利です。この優先権を持っているプレイヤーでないとカードの発動を宣言できません。 こちらもチェーンと深く関わるシステムなので、一緒に説明します。
チェーンの流れ
自分や相手がカードを発動すると、その発動に対して速攻魔法や罠カードや一部のモンスター効果を発動させチェーンを組むことができます。 チェーンは、最後に発動したカード効果から順に解決されます。 例をあげて説明します。
- ターンプレイヤーが《増援》を発動する(チェーン1)
- 相手プレイヤーが《灰流うらら》を発動する(チェーン2)
- ターンプレイヤーが《墓穴の指名者》を発動する(チェーン3)
- 相手プレイヤーが《神の宣告》を発動する(チェーン4)
この場合、チェーンは最後に発動したカードである《神の宣告》から順に解決されます。 解決の流れは以下のとおりです。
- 《神の宣告》の効果が解決する。《神の宣告》の効果により、《墓穴の指名者》の発動が無効になる。
- 《墓穴の指名者》の発動が無効になったため、何も起きない。
- 《灰流うらら》の効果が解決する。《灰流うらら》の効果により、《増援》の戦士族モンスターを手札に加える効果が無効になる。
- 《増援》の効果が無効になり、何も起きない。
今回は効果や発動を無効にするカードがあるため、チェーンが解決されるときに何も起きないことがありましたが、必ずしもカードを無効にする効果をチェーンする必要はないので、無効になっていなければ通常通り効果が発動されます。
チェーンができるカード
カードの効果には「スペルスピード」というのが設定されています。スペルスピードは1から3までの3段階があり、スペルスピードが2以上の効果はチェーンを組むことができます。 また、発動した効果のスペルスピード以上のスペルスピードを持っていないとチェーンを組むことができません。つまり、スペルスピード3の効果に対してはスペルスピード2の効果をチェーンできません。
スペルスピード1のカードは速攻魔法以外の魔法カードと一部の例外を除くモンスターの効果です。これらのカードは他のカードの発動に対してチェーンを組むことができません。
スペルスピード2のカードはカウンター罠以外の罠カード・速攻魔法・モンスター効果のうち誘発即時効果と呼ばれるものです。これらのカードはチェーンを組むことができます。 モンスターの誘発即時効果は使用タイミングが限定されているが、相手ターンにも発動できる特別な効果です。先程のチェーンの例であげた《灰流うらら》の効果はこのカテゴリーに属すため、チェーンを組むことができました。 発動タイミングが限定されていない場合でも、「この効果は相手ターンでも発動できる」といった表記がある場合、こちらも誘発即時効果として扱われます。 例としては《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の②の効果などがあります。
②:自分・相手ターンに発動できる。自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する。
このような誘発即時効果は自分のメインフェイズ以外にも好きなタイミングでスペルスピード2の効果として発動することができます。
スペルスピード3のカードはカウンター罠のみです。つまり、カウンター罠の効果に対してはカウンター罠でしかチェーンを組むことができません。
また、スペルスピード2以上の効果はクイックエフェクトとも呼ばれ、次で説明する優先権を持つプレイヤーであれば相手ターンでも発動することができます。
優先権
カードを最初に発動できるのは「優先権」を持っているプレイヤーです。優先権が移ることで、相手プレイヤーがカードを発動する権利を得ることができます。 最初に優先権を持っているのはターンプレイヤーです。ターンプレイヤーが優先権を使いカードを発動させること、もしくはターンをすすめる処理の過程で優先権を放棄することで相手プレイヤーに優先権が移ります。
具体的には以下のような場合に優先権が移ります。
- ターンプレイヤーが魔法カードを発動する
- カードの効果を発動すると、そのカードのチェーンしてクイックエフェクトを発動するために相手に優先権が移ります
- ターンプレイヤーがモンスターを召喚し、次の行動に移る前
- モンスターの召喚後の召喚時の効果がある場合、まずターンプレイヤーがその効果を発動できます
- 特に誘発効果がない場合、優先権が移り相手プレイヤーがクイックエフェクトを発動できるようになります
- ターンプレイヤーがメインフェイズの終了を宣言する
- フェーズの切り替え時やバトルフェイズの各ステップには優先権が移り、相手プレイヤーがクイックエフェクトを発動できるようになります
優先権のルールは細かく、厳密に説明しようとすると難しい部分でもあります。 マスターデュエルでは自動的にこの優先権は処理されているため、実践で遊んでいると自然と覚えることができるでしょう。 ゲーム設定の「発動確認」の設定を「発動確認する」にしておくと、優先権が移り発動可能なカードがあるタイミングすべてで確認を求められるようになります。 「オート」のままだと一部のタイミングで確認がスキップされること(フェーズの切替時など)があるので気をつけましょう。 最初のうちは煩わしいかもしれませんが、一度「発動確認する」にしておき、どのようなタイミングがあるかを勉強するのもよいでしょう。